「広告批評」連載の時評「ああでもなくこうでもなく」の4巻目「戦争のある世界」
[amazon]。「時評なんてもうヤダ」といいつつ橋本治さんの「リアル」と「まっとう」全開。前巻は「ムネオvsマキコ」で爆笑だったんだけど今回はそうもいかない。まったくもって「戦争のある世界」の「戦争に参加したい国」なんだもん。戦争を放棄した日本の権力者を選ぶ選挙の焦点は利権の配分だったけど、「戦争する国」の国家権力は国民の生殺権を握る。しかして議員・総理候補のメンツはこれまでと同じ利権オヤジーズなんだもんなあ。建前ですら「条理・正義・公正」をもたないヤツラにそんなもんわたせってか。
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20世紀の世界は「正義の戦争なんかない」という結論には達したと思ってたけど、正義どころか大義も、そのうえ対戦国さえ無いっちゅうスットンキョーな戦争がはじめられてしまった。昨年年末にNHK「映像の20世紀」の再放送をみたとき、1997年の最初の放映時、失業・恐慌・差別・戦争・虐殺・核爆弾その他もろもろの映像を、過去の出来事として見ていた自分の進歩史観のオメデタサ加減を哀しく懐かしんだよ。イラク戦争を前に「映像の20世紀」は未来の映像に見えた。これからどんなことがおこるかコワクテならないっす。とりあえず、選挙前にテロのないことを祈りつつ。