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+ 木下直之さんの画期書「美術という見世物」[amazon](ムチャおもしろいっす!)をみるとこのあたりの明治政府がむりやり「美術」をつくりあげてく課程がおもしろくって、とくに彫刻なんかはそれまで仏師と根付けや置物ほってた彫物師、生き人形をつくってた見世物制作者しかいないのに、内国勧業博覧会や海外の万国博覧会をテコに「彫刻家」なるアカデミックなアーティストを養成してく。仏師だったのに東京美術学校の教授にまつりあげられてホトホト困惑した高村光雲(光太郎のおとおちゃん)が「ところが、その博覧会というものが、まだ一般社会になんのことかサッパリわからない。実にそれはおかしいほどにわからんのである。今日ではまたおかしいくらいに知れ渡っているのであるが、当時はさらになんのことか意味がわからん」とワカラン3連発してるのを紹介してく冒頭から、江戸の見世物と明治のアートの端境期の、なんか混沌としてスットンキョーな状況が、豊富な図版を用いながら展開されてくんでありました。続編というべき<仮設的なもの><つくりもん>をめぐる「ハリボテの町」[amazon]もおすすめ! + 青山ブックセンター破産・閉店。本の未来はまさに暗いー。「美術としての見世物」のように新鮮な切り口の本を出版していく土壌がきえてゆく。ショボーン。
by calico3
| 2004-07-17 11:59
| 本・映画・展覧会
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